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源流岩魚
へっへっへ。
私はこういう岩魚に逢いたかった。
いつもそう思ってずうっと谷の奥へ釣りに行くことをするのだ。
背中の虫食い模様が岩魚のいいところ。
私は岩魚のその虫食い模様に魅せられて岩魚釣りをしているのかもしれない。
ロッドは愛用している9.9ft #5 カプラススーパードリフトSFXメジャー。
このロッドは、沢田賢一郎氏がデザインし、リリースしたウエットフライのスペシャルロッドのひとつ。
ある夏の日、天気は前線の通過で突然大雨が降り川は濁り増水した。
今日はちょっと状況が悪すぎるんじゃないかという渓の流れの際に沢田賢一郎氏は立っていた。
状況が悪いなどとは一言も言わない。
グリーンの長竿を一振り、そしてもう一度振った。
ロッドは曲がった。
「かなり濁った水の流れでは最低#6のフライが有効、これは#4にきました。」
と岩魚を手にした氏は口を開いた。
氏の釣り、ウエットフライのテクニックに、私は、あらためて驚き、脱帽した。
すごい。流石だった。
そして氏が振っていたロッド。「私も使わねばならぬ。」
その出来事以来、次の週末には、わたしはそのとき氏が使っていたロッドと同じロッドを振っていた。
今では、渓流のウエットフライフィッシング2本のレギュラーロッドのうちの一本となっている。
私はこのロッドを朝日連峰の源流地帯にも持っていく。
長いロッドはロッドを振る空間さえ広ければ落差の激しい流れで驚くほどの優位性をしめしてくれる。
朝日連峰の谷の源流部は、V字状の天が開けた源流地帯。
源流でもこの長いロッドに全く不自由は感じない。かえって打ってつけだ。
自分にとって素敵な出会いのロッド。
そしてロッドは使っていると自分の釣りの思い出が染み込んでいく。
どんな素材のロッドもそうだとおもう。
