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渓を想う 1 2
ホームリバー
夏になると私たちのホームリバーは朝日村の大鳥川になる。
減水し鏡のような流れを釣るのだ。
赤川の上流、私のホームリバー東大鳥川。
釣りをしようとやってきた所は私の好きな区間その2。
この川は、渓流釣りでは有名すぎるほど有名だ。
なんていったって源流にはタキタロウ伝説の大鳥池がある。
釣り人も平日休日例外なくいつもいる。
昔は、そこそこにいい釣りができる時もあっが今では魚影もたいしたことはなくなってしまった。
そんな川だけれども私はかれこれこの川に20数年入りびたりになっている。
川の雰囲気がたまらなくいい。森の深さがたまらなくいい。
魚を釣り上げることのみが釣りで無くなった私の釣り。
そうなってから今まで以上にこの川が素敵に思えてきた。
初めは、そう、フライフィッシングを始めたての頃、わたしは、田淵義雄氏の著したフライフィッシング教書で「白い谷」東大鳥川を知った。
ベテラン先駆者はやはりとっておきのフライフィッシングリバーを知っていた。
他人に知られたくないが、フライフィッシングにふさわしい川が日本にもあることを知ってほしい。
かの田淵氏もそう思ってフライフィッシング教書の中、釣りをした川のエッセイの中にこの東大鳥川での釣りを書いたのではなかろうか。
そう私は想像した。
私の郷里の近くにこんな素敵な川があったなんて幸せすぎだと思った。
エメラルド色の流れとは、この川のこの流れ、その淵。
水際の、水と陸地の線がわからない。
そんな川が流れる谷間。
夏になると水の流れの帯が細くなり、くっきり白くなった川岸がいよいよ広くなる。
夏、白い谷は名実とともに現れるのだ。
そう難儀せずに来ることが出来、浸れるこの雰囲気。
この川はずっとこうであってほしい。
林道や登山道のすぐ眼下の流れがいつまでもこのままで変わることがないよう祈るのだが。
